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主観的な内容ばかりなので閲覧注意です。どうでもいいことも多く書いてます。
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 ちょっと勇気付けられたので少し飛び飛びで化物パロの親家みたいな話でも書こうと思います。連載なるかもですが飽きたら普通に書くかもしれません。未定。パッションの殴り書きになると思います。文章おかしくね、というのも後で気合で直せたら直します。

 パロってだけで話の展開とかは勝手に考えます。設定とかを踏襲するので、多分「化物語ってなんやねん」って人もノリで読めるはず・・・です・・・。

 折りたたみでどうぞ。現代パロにしておきました。


 家康が倒れた、と元親が佐助からの情報網で聞いたとき、反射的に元親はほぼ奪う形で孫市からバイクを拝借し、家康の暮らす大学寮に向かっていた。佐助は慶次から聞いたと言っていた。慶次はいつも一緒にいる幸村と政宗と帰っていたはずである。今日は一緒に家康もいたらしい。倒れたという話しか聞いていないので、何がどうなってというのはわからない。病か、事故か、怪我か、元親の心を不安と絶望が埋め尽くしていく。バイクを走らせながら携帯で家康を呼ぶが、家康は出ない。
「いっ・・・政宗!」
 寮の前には政宗と幸村と慶次が屯していた。螺旋階段の下で何か話し合っていて、元親がやってくると目を丸くしてなんでここに、と首を傾げた。
「家康は!?」
「Ah-・・・なるほどな」
 政宗ががりがりと頭をかいて、寝てる、と一言答えた。病院は、と問えば、いやいやそんな大それたことじゃ、多分、ないよ、と慶次が笑う。多分って何だ。
「あいつはただ疲れただけだろ。だから、とりあえずお前ら帰れ」
「だから、政宗殿、俺も家康殿を見舞いたいでござる」
 しっしっ、と追い払おうとする政宗に幸村が食いつく。どういうことだ、と慶次を見ると、慶次も肩を竦めた。しかし視線が宙を泳いでいる。遊び呆けているくせにこういうところが分かりやすくてどうしようもない。悪事はできない男なのだ。
「いや、なんかさ、ここに帰る途中で家康が頭痛いって言って、政宗が先にチャリで部屋に送り届けてきたわけ。で、俺達は歩いてここまで来たんだけど、家康は面会謝絶だってさ」
「おい馬鹿。話をこじらせんな。元親、だから家康はそんな酷くねぇから、さっさと真田連れてお前らの棟に帰れ」
 家康と政宗、慶次の暮らす寮の棟と、元親と幸村の暮らす寮は少し離れている。何の奇遇か400年前の西軍、東軍と丁度同じ分け方だ。元親が学校側に殴りこみに行きかけて肝を冷やしたことは記憶に新しい。元親は上階にある家康の部屋を見上げた。風魔がのろのろ廊下を歩いている。
「俺は自分の目で見たモンを信じるんだよっ!」
「あっ、てめ・・・っ」
 幸村を帰らせようとする政宗の隙をつき、元親は階段を駆け上がった。数段飛んで駆け上がるも、獣のように身を翻し追撃しようと迫る政宗の方が少し早い。元親ァっ、と怒声が背中を叩くので、前からやってきた風魔に、元親は己の懐から引っ張り出した財布を投げつけた。それを難なく手に取る風魔に、「政宗を足止めしてくれ!」と依頼した。
 次の瞬間、元親の頭の上を軽々と飛び越え、風魔が政宗の上に着地する。どの時代でも馬鹿みたいに身軽だ。片手で既に元親の財布の中身を確認している。万札が数枚入っているだろうから、きっと10分は死ぬ気で止めてくれるだろう。風魔ぁぁ!! と劈くような怒声がびりびりと寮の壁を震えさせた。元親は家康の部屋のある三階にやってくると、貰っていた合鍵でドアを素早く開けて中に入り、鍵を下ろす。チェーンもかければ15分は堅いだろう。ざまぁねぇや、と鼻歌を歌い、薄暗い室内に灯りをつけた。部屋の中はしんと静まりかえっていた。
「家康、おい、大丈夫か?」
 返事は無かったが、代わりにごとっ、と何か重いものが落ちる音がした。1DKの部屋だったので、廊下を過ぎればすぐベッドだ。その上に丸く布団が膨らんでいたので、おい、と思わずつっこむ。子どもか。
「元、親・・・」
 くぐもった声が中から呟かれる。おう、と返事をすると、「帰ってくれ」と言われた。
「いや、それよか、お前、大丈夫なのかよ」
「大丈夫だ。もうぜんぜん治った。どこも痛くないから、帰ってくれ」
「・・・・・・」
 家康のぜんぜん大丈夫というのはまったくあてにならない。そうかい、と呟いて、元親はその布団を鷲掴んだ。布団を剥ぎ取ろうとすると、逆に家康が内側からそれを止める。少し静寂が続いた。
「お前の顔見て安心したら帰ってやるよ」
「・・・いや、それは、駄目だ。ワシは今ちょっと・・・その・・・髪型がぐしゃぐしゃで・・・」
「お前の寝癖まみれの頭とか何度も見てるっつーの」
 そもそもお前が見た目を気にするたちかよ、と言えば、家康が今から気にすることにする、と馬鹿みたいなことを言い出した。あほか。元親は両腕で布団ごと家康を持ち抱えた。学校ではかなりの怪力の部類に入る元親である。成人男性の一人や二人、軽いものだ。ぎゃあっ、と悲鳴を上げて、じたじたと家康がもがく。ひぃっ、と悲鳴をあげて、駄目だぁ、と鳴いた。
「そこっ、脇腹だぁらっ、ひっ、うわははははは!」
「・・・・・・・・・」
 丁度持ち抱えた場所が家康の擽られると弱い場所だったのか、ぎゃあぎゃあと喚き出す。しかしそのせいで捲れた布団から、家康の頭が覗いた。それに、元親は驚いて、思わず手を離してしまった。ぎゃふっ、と家康が落下する。肩で息をして、脇腹を押さえてぶるぶる震える家康は、ひぃひぃ言っていたかと思うと、元親の視線を感じ取ってはっ、と固まった。そして、頭を抱える。
 家康の頭にはぴょこん、と二つの耳が生えていた。猫の耳だ。家康の髪の色と同じ、黒い猫の耳が二つ。家康の元からある耳とあわせて四つの耳がある。家康はぎくりと固まって、それから、ぎぎぎ、と元親をゆっくりとぎこちなく、振り返った。
「・・・・・・えっと、これは、だな」
「・・・・・・・・・!?!?!?!?」
 声を無くして驚く元親を傍目に、ついに風魔を撃退した政宗がドアを開けたところだった。チェーンまでついてやがる!? という驚きの声を聞いても、元親はその場に立ち尽くすだけだった。



 つづく。
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