主観的な内容ばかりなので閲覧注意です。どうでもいいことも多く書いてます。
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混合会話というか。戯言×BASARAです。ちょっとしたお遊びで。会話メイン。言葉責め?
家康と三成がある程度仲が良かったこと・元親赤ルート・緑ルート踏襲。
今度は元親と会話させるかもしれませんが、今回は家康と兎吊木。
かなり昔にやってみた兎吊木とシモンの会話みたいなもんです。
※私は三成は好きです。
家康と三成がある程度仲が良かったこと・元親赤ルート・緑ルート踏襲。
今度は元親と会話させるかもしれませんが、今回は家康と兎吊木。
かなり昔にやってみた兎吊木とシモンの会話みたいなもんです。
※私は三成は好きです。
「君は石田三成のことが本当は嫌いなんじゃないのかな?」
男はにやにやと嘲笑に似た笑みを顔に貼り付けていたが、不思議とその眼の奥は少しも笑ってはいなかった。
「君の生い立ちは聞き及んでいるよ家康君―――徳川、家康君。余りにも高名である君の人生など俺のようなしがない一般人でも、簡単に聞き及ぶことができた。どうにも壮絶な人生じゃないか。俺も今自分のことを一般人だと称してしまったが、俺は俺なりに、それなりの茨街道を突き進んできたつもりだったが、それをまるで一笑に伏せることができるほどの、物凄い経歴をお持ちのようだ。君とこうして言葉を交わせるというこの状況が、まるで夢のようだよ。まぁこの状況が夢だと言ってもおそらくそれは嘘でもなんでもないのだろうけれど、まぁ、夢だとしても、それでも夢のようだ、ということだ。簡単に言えば光栄に思っているんだよ。しかし俺のことなど今はどうでもいい。塵芥にすぎない存在だ。いや、平民にも優しい君主である君のことだ。俺のような下賎でどうしようもない弱者にだって、きっとその言葉を撤回するよう求めるのだろう? いや、気にしないでくれ。俺はだいたい自分のことを自分で卑下したくなるマゾヒストなんだ。といっても自分の言った言葉で悦に入るほどではないから、あまり退かないで欲しい―――と、失礼。話を戻そう。君の話がしたいんだ。君の話、というよりは君の元友人である石田三成について―――と言い換えよう。そう、石田三成。彼は君の、友人だった、そうじゃないか」
男は言葉を続けた。
「これ以上豊臣軍に与していても平和な天下は訪れないと踏んで君が裏切った、いや、失礼。離脱したとでも言おうか。いや、そんな顔をしないでくれ。君は離脱のつもりだろう? 離脱して、離反した。これだとやはり裏切るということになるか。おっと、言っておくが俺は君を責めたい訳じゃないんだ。天下泰平のことを思えば、君の選択はなんといっても正しいのだから。そう。正しいだろう。君が豊臣秀吉を討たなければ天下泰平はきっと訪れないのだから。君は間違ってはいない。天下泰平のためという目的に、全然まったく、反していない。君が誓ったのは天下の平和であり、豊臣秀吉や石田三成、大谷吉継―――いや、彼の平和は平和ではないから一緒にはできないな。その他平和を望まない人々の平和など、君は誓ってはいないのだから。君が不幸にした人の人数と、君が幸せにしてやる人の人数を較べたら、明らかに幸せになる人の方が多い。君のお陰で、日本は概ね、平和になったというわけだ。―――怖い怖い、そう睨まないでくれ。不敬かい? 手打ちにするかい? ははは、冗談だよ。しかし君だって分かっていただろう? 犠牲無く平和は訪れず、また犠牲無しに平和を掴むことはできないと。豊臣は言うなれば生贄だったんだよ。君が病む必要はない。なんといったって豊臣は君のせいで無理やり生贄になったわけじゃないんだ。君に服して、共に太平の世を築く道だってあった。彼らは自ら―――泰平のための礎となったのさ」
男は笑ったまま言う。
「君はよく怒るね。己を殺そうとするような外道を罵られても、そうやって怒るとは、本当に聖人君子だ。涙が出るよ。俺にもそれぐらいの優しさでもあれば・・・と、これはどうでもいいことだね。しかしまぁ、丁度いい。ここで今一度考えてみてくれないか? 石田三成さえ居なければ―――いや、石田三成と大谷吉継さえいなければ―――豊臣秀吉を討った時点で、この国は平和になったのではないか、と」
男は微笑んでいる。
「聞いた話じゃあ、石田三成は天下に興味が無かったらしいね。そりゃそうだ。彼は豊臣秀吉に心酔していたが、豊臣秀吉の理想やら思想やらには、とんと頓着していなかったのだから。彼の中で、天下を統べるのは豊臣秀吉以外に他はなく、それには自分も含まれている。自分が天下を統べるのだって、彼にとっちゃ豊臣秀吉に対する、不敬にでもなるんじゃないかな? そう、そんな石田三成は、ただ復讐のためだけに、この天下を巻き込んだ戦いを始めた。そのせいで君は殺さなくてもいい人を殺す羽目になった。全て石田三成のせいだ。君はそう、思わないのかい? せめて石田三成が軍など用いず、たった一人で君と一対一で戦ってくれさえすれば、戦にまで発展だってしなかった。それは石田三成の知恵というよりは大谷吉継、並びに毛利元就の姦計のせいもあるのだけれど―――結局は総大将のせいでもあるんじゃないかな。責任が―――あるんじゃないのかな?」
男は言う。
「君の友人にしたって、そうだ。君はその友人の優しさや性格を慮って勝手に自分から切り離したが、やはり何かあると踏んでいるのだろう? 彼は大谷吉継や毛利元就の罠にでも嵌まったとでも、だいたい考えがつくだろう? 君はそれなりに聡いんだ。―――だからこそ、それを咎めず、それを御しきれないお飾りでありながら人を殺すしか能のない石田三成を、君は憎むべきなんだよ。いや、憎んでしかるべき、と言っておこう。平和を望み人の幸福を望むのであれば、あの愚かで怖ろしく物を知らぬ哀れな人殺しを、君は恨んでしかるべきだ。何故なら君のたった唯一とでも言える目的を、願いを、君の人生全てを費やし達しようと願う平和というそれを阻むのは、彼のせいなのだから。彼のせいで、君は友人も、部下も、大切なものを奪われるのだから」
男は言う。
「君が彼から何かを奪ったから、君も彼に奪われて仕方がないと、君は馬鹿なことを考えてるんじゃないだろうね? そんなもの思いあがりも甚だしいよ、家康君。殺されたから殺してもいいなんて、そんなこと、あるわけがないじゃないか。責任? 資格? 人を殺すのに、そんなものは必要ないよ。そもそも最初に殺す時点で資格なんてないのに、殺してしまってから資格が生まれるなんて、そんなのおかしいと思わないのかい? 絆を掲げる君のことだ。人との繋がりが大きな力を生むと考えているんだろう? 間違ってはいないが、しかし君、絆と信頼をどう区別する? 君と石田三成の間に、絆は結局、あったのかい? 石田三成が君に対して少なくはない評価を下していたことは分かる。何故なら彼は君に裏切られたと思っているのだから。裏切られたということはそれなりに期待していたということだ。君が、己の仲間であると信じていたからだ。しかし、君はどうだ? 苛烈にして惨忍、豊臣秀吉のために人を殺して微笑むことのできるあの狂人と、同じ志を持っていたと、思うのか? 彼が本当に、平和な世の中を望んでいたと、信じていたのかい? もし本当に君が石田三成を信頼していたというのなら―――君らはその頃から擦れ違いっぱなしということだ」
隣に立っていただけで、まったく触れ合っていないということだ。そう、男は笑った。
「君は人のことを全然、まったく、これっぽっちも理解できていない。人のことを自分にとっていい、素晴らしい人間だと勝手に歪めて捉えて、勝手に信頼しているに過ぎないわけだ。それはまぁ、石田三成も同じだろう。豊臣軍にいる人間を、豊臣秀吉にとって有能な人間を、全て豊臣秀吉のものとして判断し、勝手に評価している。君らは本当によく似ている―――と言えるよ。まったくさっぱり、人の気持ちが分かることができない。いや、むしろ君の場合、人を良く見ていたいという願望がある、と言うべきだろうか? ふふふ、難儀だねぇ」
男は顔を歪める。その目の奥は、淀んだままだ。
「君はそれでも、人を憎まないのかな? いや、ここまで来ると、君は人を憎めないのではと思ってしまうよ、家康君。君に人を憎むという感情はあるのかな? 人間、一生のうちに一人ぐらい、心の底から憎むような人がいても、なんら不思議ではないけれど、君に果たして、そんな人が、いるのかな? 君に、好きな人が居ないように。いや、これは知ったような口を聞いてしまったけれど、正直、俺は居ないのではないかと思っているんだよ、家康君。皆大切だ、なんていう人はね、大抵、1番大切なものも無いってことだろう? 君は憎む人がいないと同時に、好きな人も、いないんじゃないかな? その石田三成、嫌いでも憎いでもないとすれば、君にとって一体なんだって言うんだろうね? 平民と一緒なのかな? そこを行き交う町人と、そう、命の重さは変わりないんじゃないのかな? そう思えば、君の大切な友人が君から離れるということも、その友達さえ、君にとってそこらの一般人と変わりないとういのなら、君にとって石田三成はどうでもいい人間ということになるけれど」
男は笑っている。
「君にとって、人殺しの石田三成も、大切な友人である長曾我部元親も、君が殺した豊臣秀吉も、価値は等しく同じなのなら、君はもう人の域を越えているよ、徳川家康君。君が憎しみを持たないのなら、君の世界に敵は居ないというのなら、君は一体何を殺して何を生かすのかな。君が殺す石田三成は、一体全体、君にとって何の意味が、あるのかな。何だと、思っているのかな。なぁ、家康君。これは別に君に誰かを憎んでもらいたいわけでも、君に誰かを嫌いになってもらいたいわけでも、好きになってもらいたいわけでもない。単なる俺の単純なる興味なわけだが」
男は笑みを深くする。ワシはそれ見つめたまま、視線を逸らさずそれを聞いた。
「君は石田三成のことが本当は嫌いなんじゃないのかな?」
男はにやにやと嘲笑に似た笑みを顔に貼り付けていたが、不思議とその眼の奥は少しも笑ってはいなかった。
「君の生い立ちは聞き及んでいるよ家康君―――徳川、家康君。余りにも高名である君の人生など俺のようなしがない一般人でも、簡単に聞き及ぶことができた。どうにも壮絶な人生じゃないか。俺も今自分のことを一般人だと称してしまったが、俺は俺なりに、それなりの茨街道を突き進んできたつもりだったが、それをまるで一笑に伏せることができるほどの、物凄い経歴をお持ちのようだ。君とこうして言葉を交わせるというこの状況が、まるで夢のようだよ。まぁこの状況が夢だと言ってもおそらくそれは嘘でもなんでもないのだろうけれど、まぁ、夢だとしても、それでも夢のようだ、ということだ。簡単に言えば光栄に思っているんだよ。しかし俺のことなど今はどうでもいい。塵芥にすぎない存在だ。いや、平民にも優しい君主である君のことだ。俺のような下賎でどうしようもない弱者にだって、きっとその言葉を撤回するよう求めるのだろう? いや、気にしないでくれ。俺はだいたい自分のことを自分で卑下したくなるマゾヒストなんだ。といっても自分の言った言葉で悦に入るほどではないから、あまり退かないで欲しい―――と、失礼。話を戻そう。君の話がしたいんだ。君の話、というよりは君の元友人である石田三成について―――と言い換えよう。そう、石田三成。彼は君の、友人だった、そうじゃないか」
男は言葉を続けた。
「これ以上豊臣軍に与していても平和な天下は訪れないと踏んで君が裏切った、いや、失礼。離脱したとでも言おうか。いや、そんな顔をしないでくれ。君は離脱のつもりだろう? 離脱して、離反した。これだとやはり裏切るということになるか。おっと、言っておくが俺は君を責めたい訳じゃないんだ。天下泰平のことを思えば、君の選択はなんといっても正しいのだから。そう。正しいだろう。君が豊臣秀吉を討たなければ天下泰平はきっと訪れないのだから。君は間違ってはいない。天下泰平のためという目的に、全然まったく、反していない。君が誓ったのは天下の平和であり、豊臣秀吉や石田三成、大谷吉継―――いや、彼の平和は平和ではないから一緒にはできないな。その他平和を望まない人々の平和など、君は誓ってはいないのだから。君が不幸にした人の人数と、君が幸せにしてやる人の人数を較べたら、明らかに幸せになる人の方が多い。君のお陰で、日本は概ね、平和になったというわけだ。―――怖い怖い、そう睨まないでくれ。不敬かい? 手打ちにするかい? ははは、冗談だよ。しかし君だって分かっていただろう? 犠牲無く平和は訪れず、また犠牲無しに平和を掴むことはできないと。豊臣は言うなれば生贄だったんだよ。君が病む必要はない。なんといったって豊臣は君のせいで無理やり生贄になったわけじゃないんだ。君に服して、共に太平の世を築く道だってあった。彼らは自ら―――泰平のための礎となったのさ」
男は笑ったまま言う。
「君はよく怒るね。己を殺そうとするような外道を罵られても、そうやって怒るとは、本当に聖人君子だ。涙が出るよ。俺にもそれぐらいの優しさでもあれば・・・と、これはどうでもいいことだね。しかしまぁ、丁度いい。ここで今一度考えてみてくれないか? 石田三成さえ居なければ―――いや、石田三成と大谷吉継さえいなければ―――豊臣秀吉を討った時点で、この国は平和になったのではないか、と」
男は微笑んでいる。
「聞いた話じゃあ、石田三成は天下に興味が無かったらしいね。そりゃそうだ。彼は豊臣秀吉に心酔していたが、豊臣秀吉の理想やら思想やらには、とんと頓着していなかったのだから。彼の中で、天下を統べるのは豊臣秀吉以外に他はなく、それには自分も含まれている。自分が天下を統べるのだって、彼にとっちゃ豊臣秀吉に対する、不敬にでもなるんじゃないかな? そう、そんな石田三成は、ただ復讐のためだけに、この天下を巻き込んだ戦いを始めた。そのせいで君は殺さなくてもいい人を殺す羽目になった。全て石田三成のせいだ。君はそう、思わないのかい? せめて石田三成が軍など用いず、たった一人で君と一対一で戦ってくれさえすれば、戦にまで発展だってしなかった。それは石田三成の知恵というよりは大谷吉継、並びに毛利元就の姦計のせいもあるのだけれど―――結局は総大将のせいでもあるんじゃないかな。責任が―――あるんじゃないのかな?」
男は言う。
「君の友人にしたって、そうだ。君はその友人の優しさや性格を慮って勝手に自分から切り離したが、やはり何かあると踏んでいるのだろう? 彼は大谷吉継や毛利元就の罠にでも嵌まったとでも、だいたい考えがつくだろう? 君はそれなりに聡いんだ。―――だからこそ、それを咎めず、それを御しきれないお飾りでありながら人を殺すしか能のない石田三成を、君は憎むべきなんだよ。いや、憎んでしかるべき、と言っておこう。平和を望み人の幸福を望むのであれば、あの愚かで怖ろしく物を知らぬ哀れな人殺しを、君は恨んでしかるべきだ。何故なら君のたった唯一とでも言える目的を、願いを、君の人生全てを費やし達しようと願う平和というそれを阻むのは、彼のせいなのだから。彼のせいで、君は友人も、部下も、大切なものを奪われるのだから」
男は言う。
「君が彼から何かを奪ったから、君も彼に奪われて仕方がないと、君は馬鹿なことを考えてるんじゃないだろうね? そんなもの思いあがりも甚だしいよ、家康君。殺されたから殺してもいいなんて、そんなこと、あるわけがないじゃないか。責任? 資格? 人を殺すのに、そんなものは必要ないよ。そもそも最初に殺す時点で資格なんてないのに、殺してしまってから資格が生まれるなんて、そんなのおかしいと思わないのかい? 絆を掲げる君のことだ。人との繋がりが大きな力を生むと考えているんだろう? 間違ってはいないが、しかし君、絆と信頼をどう区別する? 君と石田三成の間に、絆は結局、あったのかい? 石田三成が君に対して少なくはない評価を下していたことは分かる。何故なら彼は君に裏切られたと思っているのだから。裏切られたということはそれなりに期待していたということだ。君が、己の仲間であると信じていたからだ。しかし、君はどうだ? 苛烈にして惨忍、豊臣秀吉のために人を殺して微笑むことのできるあの狂人と、同じ志を持っていたと、思うのか? 彼が本当に、平和な世の中を望んでいたと、信じていたのかい? もし本当に君が石田三成を信頼していたというのなら―――君らはその頃から擦れ違いっぱなしということだ」
隣に立っていただけで、まったく触れ合っていないということだ。そう、男は笑った。
「君は人のことを全然、まったく、これっぽっちも理解できていない。人のことを自分にとっていい、素晴らしい人間だと勝手に歪めて捉えて、勝手に信頼しているに過ぎないわけだ。それはまぁ、石田三成も同じだろう。豊臣軍にいる人間を、豊臣秀吉にとって有能な人間を、全て豊臣秀吉のものとして判断し、勝手に評価している。君らは本当によく似ている―――と言えるよ。まったくさっぱり、人の気持ちが分かることができない。いや、むしろ君の場合、人を良く見ていたいという願望がある、と言うべきだろうか? ふふふ、難儀だねぇ」
男は顔を歪める。その目の奥は、淀んだままだ。
「君はそれでも、人を憎まないのかな? いや、ここまで来ると、君は人を憎めないのではと思ってしまうよ、家康君。君に人を憎むという感情はあるのかな? 人間、一生のうちに一人ぐらい、心の底から憎むような人がいても、なんら不思議ではないけれど、君に果たして、そんな人が、いるのかな? 君に、好きな人が居ないように。いや、これは知ったような口を聞いてしまったけれど、正直、俺は居ないのではないかと思っているんだよ、家康君。皆大切だ、なんていう人はね、大抵、1番大切なものも無いってことだろう? 君は憎む人がいないと同時に、好きな人も、いないんじゃないかな? その石田三成、嫌いでも憎いでもないとすれば、君にとって一体なんだって言うんだろうね? 平民と一緒なのかな? そこを行き交う町人と、そう、命の重さは変わりないんじゃないのかな? そう思えば、君の大切な友人が君から離れるということも、その友達さえ、君にとってそこらの一般人と変わりないとういのなら、君にとって石田三成はどうでもいい人間ということになるけれど」
男は笑っている。
「君にとって、人殺しの石田三成も、大切な友人である長曾我部元親も、君が殺した豊臣秀吉も、価値は等しく同じなのなら、君はもう人の域を越えているよ、徳川家康君。君が憎しみを持たないのなら、君の世界に敵は居ないというのなら、君は一体何を殺して何を生かすのかな。君が殺す石田三成は、一体全体、君にとって何の意味が、あるのかな。何だと、思っているのかな。なぁ、家康君。これは別に君に誰かを憎んでもらいたいわけでも、君に誰かを嫌いになってもらいたいわけでも、好きになってもらいたいわけでもない。単なる俺の単純なる興味なわけだが」
男は笑みを深くする。ワシはそれ見つめたまま、視線を逸らさずそれを聞いた。
「君は石田三成のことが本当は嫌いなんじゃないのかな?」
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