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主観的な内容ばかりなので閲覧注意です。どうでもいいことも多く書いてます。
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 だと思われる会話。

 三成が生んだ憎悪。
 三成が膿んだ憎悪。
 言葉遊び楽しい。

「私にはもう何もない」
 三成はそう言って、手の内にない凶刃を握るように両手を強くにぎりしめ、そして何ももてないことにがっかりしてか、じわりとそれを開いた。
「何もないのだ」
「本当にか」
 家康は静かに問うだけだった。互いに互いは見ていない。三成は己の何も持つことのできない両の手を無感動に見下ろすだけであるし、家康は三成ではなくどこか遠い場所を見つめるような遠い眼をしていた。
「本当にお前には何もないのか」
「ない」
「刑部はどうだ」
「あれは私のものではない。秀吉さまのものだ。私はそもそも秀吉様のもの。私が持てるものは、秀吉さまが下さったものとお許しくださったものだけだ」
「お前が死んで悲しむものはないのか。失って悲しむものも、ないのか」
「ない」
 三成はようやく、家康を見た。家康は遠くを眺めるだけだ。その両目の太陽の色は三成を映してはいない。
「そうだ。一つだけあった。貴様への憎しみだ」
「憎しみか」
「そうだ。それだけが私の持つもの」
「秀吉殿にいただいたものか」
「いや、私が生んだものだ」
 私が膿んだ、お前への憎悪だ。みろ、膨らむ一方だ。
 家康はようやく視線を三成へ移した。その細い肉体の中にはそれこそ膿が溜まっているのだろうと思えたが、家康は人の感情を好ましく思っている。
「お前は悲しいひとだな」
「なんだそれは」
「だが、うつくしい」
 ひとの生き方はうつくしい。ひとの思いは重く、強くなるほどうつくしい。家康は眩しそうに目を細め、三成を見る。
「お前は醜いな、家康。貴様は他人のことしか頭にない。貴様は私以上に何も持ってはいない。周りに寄り集まる蟻の大群を雨から守ろうとする木のようだ」
「わしは動かぬものではない。手を伸ばして人を救う」
「それが愚かだと言うのだ。お前の手は小さすぎる」
 秀吉さまに及ばぬ愚かで矮小な生き物だ。三成はゆっくりと踏み込み、その喉笛を噛み千切ろうかというふうに身を低めた。その獣のごとき姿を見下ろし、家康は笑った。
「わしは確かに何ももてないかもしれないが背後に守るものは多くある。何も持たず何も守らないお前を殺しても、わしは何も傷つかない」
「お前の口から零れるものは全て嘘ばかりだ」
 吐き捨てるように三成は言えば、家康はもう語ることはやめた。言葉はもはやいらなかった。
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